社会福祉法人会計基準の改正⑨ -引当金の範囲の限定-


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引当金とは、

①将来の特定の費用または損失である。
②その発生が当年度以前の事象に起因している。
③発生の可能性が高い。
④その金額を合理的に見積もることができる。

という4つの要件を満たす費用や損失を、当年度の費用、損失として見積もり計上する際に生じる貸借対照表科目のことををいいます。


これまでは引当金として、

・徴収不能引当金
・賞与引当金
・退職給与引当金
・その他の引当金(人件費引当金、修繕引当金、備品等購入引当金等)

の計上が行われてきました。


しかし、現状、その他の引当金の中にはその発生の可能性が低いものや合理的に見積もりが出来ないものなど、本来要件を満たさないものも引当金として計上さている場合があり、あいまいな会計処理が行われてきました。


「(新)社会福祉法人会計基準」においては、これらの考え方を明確にするために、計上できる引当金を「徴収不能引当金」「賞与引当金」「退職給引当金」の3つに限定しました。


その他の引当金は計上することが出来ませんので、移行時には取り崩さなければなりません。
同様の処理を継続したいのであれば、「××積立金」として純資産に計上することになります。
(この場合、見合いの積立資産の計上も必要になります。)


この中で、退職給付引当金については、原則的には、退職給付会計によって少し難しい計算をして引当金計上額を求めなければなりません。


しかし、退職給付の対象となる職員数が300人未満の法人等では、簡便法を採用することができます。


簡便法によると、退職一時金に係る債務については、期末要支給額で算定することができます。


ほとんどの社会福祉法人は、この簡便法を採用することになると思われます。



【参考】http://www.keieikyo.gr.jp/kaikei.html




社会福祉法人会計基準の改正⑧ -借入金償還補助金に対する国庫補助金等特別積立金-


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これまでは、固定資産取得時に受ける補助金(整備時分)だけが国庫補助金等特別積立金の対象となっていました。
「(新)社会福祉法人会計基準」では、整備時分だけでなく、借入金償還に充てるための補助金(償還補助分)も積立の対象とされました。


具体的な会計処理の違いを、以下の設例を使って比較してみます。


【節例】
・設備資金借入金 100,000,000円(借入期間10年、年1回返済)
・借入金元金償還補助金 毎年10,000,000円 総額100,000,000円
・使途:建物 300,000,000円(耐用年数40年、定額法)
(資金仕訳は省略する。)


○旧基準の場合

・補助金の入金
(借方)現金預金 10,000,000 (貸方)借入金元金償還補助金収入 10,000,000

・決算時の減価償却
(借方)減価償却費 7,500,000 (貸方)建物 7,500,000

※国庫補助金等特別積立金の積立は行いません。


○新基準の場合

・補助金の入金
(借方)現金預金  10,000,000 (貸方)借入金元金償還補助金収益 10,000,000
(借方)国庫補助金等特別積立金積立額 10,000,000 (貸方)国庫補助金等特別積立金  10,000,000

・決算時の減価償却
(借方)減価償却費  7,500,000 (貸方)建物 7,500,000
(借方)国庫補助金等特別積立金 2,500,000 (貸方)国庫補助金等特別積立金取崩額 2,500,000

100,000,000円×(7,500,000円÷300,000,000円)=2,500,000円

※補助金総額のうち、当期の減価償却費に相当する部分の取崩を行います。


【参考】http://www.keieikyo.gr.jp/kaikei.html




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