領収書には必ず印紙を貼らなくてはならないか?

印紙税法上の17号文書「金銭又は有価証券の受取書」(領収書のことです)のうち、記載された受取金額が3万円以上のものには、印紙を貼らなければなりません。(平成26年4月1日以後は5万円以上)
しかし、この領収書に対する印紙も、全ての場合に必ず貼らなければならないわけではありません。
そもそも領収書に対して印紙税が課税させるのは、印紙税法でいう「営業に関するもの」に限られています。
以下、3万円以上の領収書でも印紙を貼らなくてもよい場合を解説します。
①個人が私的財産を譲渡したとき等に作成する受取書(領収書)
個人が家財やコレクション等の私的財産をたまたま譲渡したとしても、それは営業に関するものではありませんので、印紙を貼る必要はありません。
②公益法人の作成する受取書(領収書)
公益法人等※は営利を目的とする法人ではないので、領収書を発行する場合も、営業に関するものではないという扱いになり、印紙を貼る必要はありません。
たとえそれが収益事業に関するものであっても、公益法人等の名義で作成する領収書であれば、印紙を貼る必要はありません。
※公益法人等=公益社団法人、公益財団法人、学校法人、医療法人、NPO法人、一般財団法人の一部、一般社団法人の一部等
③公益等を目的とする人格のない社団の作成する受取書(領収書)
「公益等を目的とする人格のない社団」とは、PTAや同窓会、町内会などの団体のことです。
これらの団体が公益等を目的として活動している以上は営業に関するものではないという扱いになり、印紙を貼る必要はありません。
④農業従事者等が作成する受取書(領収書)
農業、林業又は漁業は一般に営業に当たらないと解されていますので、印紙を貼る必要はありません。
⑤医師、弁護士等の作成する受取書(領収書)
自由職業者※は一般には営業に当たらないと解されますので、印紙を貼る必要はありません。
※自由職業者:
医師、歯科医師、歯科衛生士、保健士、はり士、きゅう士、柔道整復士等
弁護士、弁理士、公認会計士、司法書士、税理士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、建築士、海事代理士等
