平成26年度税制改正大綱の影響

平成26年度税制改正大綱が決定されました。
以下、影響の大きそうな項目をまとめました。
1.復興特別法人税の廃止
当初の予定よりも1年前倒しして、平成26年3月末で廃止されることとなります。
2.交際費等(飲食代)の50%を損金算入可能に
主に大企業のための減税措置で、交際費等のうち飲食代については50%を損金算入することができるようになります。
中小法人についても、現行の特例と選択適用することができます。(相当多額の飲食代を使っていなければ恩恵を受けることはないですが。。。)
3.消費税の簡易課税制度の見直し
簡易課税制度により益税となっていることが多いことに対応したものです。
この改正については、以前の記事で紹介しています。→こちら
4.生産性向上設備投資促進税制の創設
生産性を向上させる設備等を取得した場合に特別償却か税額控除を受けられる制度が新設されます。
5.給与等支給額が増加した場合の税額控除制度の要件緩和と延長
これまでは5%以上の賃上げを行わなければこの税額控除の適用を受けられませんでしたが、今回の改正で適用年度に応じて2%~5%の賃上げで適用を受けることができるようになる等、要件が緩和されます。
6.自動車取得税の段階的廃止
自動車取得税は、自動車の購入時に消費税と取得税の2つの似たような税金がかかることから、二重課税なのではないかと問題視されていました。
消費税の増税を機に段階的に廃止されることになります。
消費税8%時に自家用車は5%→3%、営業車・軽自動車は3%→2%に軽減され、消費税10%時に完全に廃止されます。
7.軽自動車税の増税
TPP対応です。
軽自動車税が普通乗用車の自動車税と比べて著しく低額であることから、日本で普通乗用車を販売する際の障壁になる(アメリカの車が売れない)と指摘されていました。
8.高所得者の給与所得控除の縮小
平成28年より、年収1,200万円超の場合の給与所得控除の上限が230万円に
平成29年より、年収1,000万円超の場合の給与所得控除の上限が220万円に
なります。
(現行の上限額は245万円)
9.確定拠出年金の拠出限度額引き上げ
現行の月額5.1万円の限度額が5.5万円に引き上げられます。
今後さらなる上限の引き上げが検討されています。
10.NISAの非課税口座が毎年選択可能に
NISAの利用に当たっては、現行制度では、毎年同じ金融機関で投資する必要がありましたが、平成27年からは毎年非課税口座を開く金融機関を選ぶことができるようになります。
11.地方自治地帯間の財政力格差是正の制度
東京都などの税制力強い自治体の住民税の一部を国が徴収し、財政力の弱い自治体に再配分する制度が導入されます。
地方消費税の増税により自治体間の格差が広がることに対応するものです。
法人実効税率の引き下げは引き続き検討を進める、とのことです。
また、消費税増税に伴う軽減税率の導入は「消費税率10%時に導入」という言葉で記されています。
10%に増税したタイミングなのか、それ以後の適当な時期なのか、どちらとも読むことができ、不明確です。
本当に大きなヤマはまだこれから、というところでしょうか。
