所得税の世帯課税が検討されています

所得税は、現行法上は個人単位で税額を計算しますが、これを世帯単位で課税するよう見直しが検討されています。
世帯単位の課税になると、子供が多いなど世帯人数が多ければ多いほど納付するべき税額が少なくなります。
例えば、父親の所得が900万円、母親が専業主婦であり、子供が二人という世帯の場合は、世帯課税で考えると900万円の所得を3人(子供は0.5人で換算)で得た、ととらえることになります。
納付するべき税額は「所得300万円に対してかかる所得税×3人分」と計算します。
所得税は累進課税(所得が高くなれば高くなるほど税率が高くなる)なので、一人で900万円の所得を得たと考えるよりは、だいぶ所得税額は少なくなります。
個人事業者等の場合は、専従者給与を支払うなどして家族間での所得の分散を図り節税しますが、このような計算を自動的に行うようなイメージで考えるとよいと思います。
子供が多いほど所得税が少なくなるため、少子化対策になりますが、専業主婦世帯に恩恵が大きくなる仕組みであることから、女性の働く意欲を阻害することになるなどの問題点も指摘されています。
現段階では実現するかどうかは不明ですが、大きな改正になりそうな話題です。
