棚卸資産の評価方法③

法人税法上の棚卸資産の評価方法のうち、原価法には、①個別法、②先入先出法、③総平均法、④移動平均法、⑤最終仕入原価法、⑥売価還元法の6つの方法があります。
④移動平均法は、仕入れるごとに平均単価を改定しながら計算する平均法です。
総平均法は、期末にならないと売上原価を把握することができませんが、移動平均法では、都度売上原価を把握することができます。
ただし、仕入れの都度平均単価の計算を行わなければならないため、事務的には手間がかかります。
⑤最終仕入原価法は、最後に取得した棚卸資産の単価を使って期末在庫の取得価額を計算する方法です。
全ての棚卸資産を一律最終仕入の単価で評価してしまうため、理論上は妥当な方法ではありませんが、事務的にはとても簡便なため中小企業などで多く利用されています。
法定評価方法にもなっていますので、届出をしなければこの方法によって評価を行うことになります。
⑥売価還元法は、期首棚卸高と期中仕入高の合計額を、期中売上高と期末棚卸資産の売価の合計額で除して原価率を求め、期末棚卸資産の売価に原価率を乗じて棚卸資産の計算する方法です。
この方法は、スーパーマーケットなど多品種大量の商品を取り扱う事業者等で利用されます。
製造業を営む法人が、原価計算を行わないで仕掛品について製造工程に応じて製品売価の何割として評価する場合のその評価の方法も、売価還元法に該当するものとされます。
(法人税法基本通達5-2-4)。
