退職金を使って節税する①


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退職金は、会社では損金に算入されるのにもかかわらず、受け取った退職者は税務上非常に優遇されているので、節税のための一つの手法として利用できます。


退職所得が優遇されているのは、老後の生活資金の原資である点や、退職時に一時に受け取る場合多額に及ぶことがあり累進課税方式の日本においては不利になることに配慮するなどのためです。
今回は退職所得が他の所得と異なり、どのように優遇されているかをご紹介します。


まず、1つ目の優遇ポイントは、退職所得控除がある点です。
退職所得は、退職金から退職所得控除を差し引いて求めます。


退職所得控除は、退職者の勤続年数に応じて、以下のように計算されます。

勤続年数20年以下の場合
40万円×勤続年数(1年未満の場合は切上)

勤続年数20年超の場合
800万円+{70万円×(勤続年数-20年)}


この計算式で退職所得控除を計算してみると、
勤続10年:40万円×10年=400万円
勤続20年:40万円×20年=800万円
勤続30年:800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円
勤続40年:800万円+70万円×(40年-20年)=2,200万円
となります。
つまり、退職金をこの金額以下にすれば、受け取った退職者の退職所得は0円となりますので、所得税はかからないことになります。
もちろん、支払った会社では、退職金は損金に算入されます。


2つ目の優遇ポイントは、所得税の税額を計算する際に、所得金額を1/2にする、いわゆる「1/2課税」です。
退職所得に対する所得税は、退職金額から退職所得控除を差し引いて求めた退職所得を、さらに1/2にして税額を計算しますので、他の所得と比べて税額は大分少なくなります。
(平成24年度の税制改正により、勤続年数が5年以下の役員に対する退職手当等については、この「1/2課税」が廃止されることになりましたので、注意が必要です。)


3つ目の優遇ポイントは、退職所得は、給与所得等の他の所得と合算されずに、退職所得のみで課税される、「分離課税」であることです。
日本では、所得税は累進課税方式ですので、所得が増えれば増えるほど、税率は高くなっていきます。
退職所得は、他の所得と合算されませんので、低い税率で税額を計算することができます。


退職金を使った、実際の節税の例は以下のようになります。

会社の退職金計上前の所得金額:2,000万円
会社の法人税等実効税率:35%
役員の勤続年数20年(当期に退職予定)

・退職金を出さない場合
法人税等負担額:2,000万円×35%=700万円

・退職金を1,500万円支給する場合
法人税負担額:(2,000万円-1,500万円)×35%=175万円
所得税負担額:
 退職所得控除:40万円×20年=800万円
 退職所得:(1,500万円-800万円)÷2=350万円
 所得税:350万円×20%-427,500円=27.25万円(所得税の速算表より)
税負担合計=175万円+27.25万円=202.25万円
(※退職所得にかかる住民税は無視しています)


退職金を出す場合と出さない場合の税負担の差は歴然です。
事業承継のタイミングなどに一回限り使える技ですが、利用しない手はありあません。




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