一時所得と雑所得

所得は10種類の所得に分けることができますが、今回はこの中の「一時所得」と「雑所得」について、解説します。
「一時所得」は、「営利を目的とする継続的行為から生じたものでも、労務や役務の対価でもなく、さらに資産の譲渡等による対価でもない一時的な性格の所得」のことを言います。
最後の「一時的な性格の所得」というところがこの所得の性格を最も端的に表しています。
一時所得にあたる例としては、懸賞や福引きの賞金品、競馬や競輪の払戻金、生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金、法人からの贈与などがあげられます。
一時所得は、50万円の特別控除額を差し引いて所得を求めることができますし、その1/2だけが課税対象となりますので、税額計算上は他の所得と比べても優遇されている所得といえます。
あくまで、一時の(イレギュラーな)所得なので、担税力が低いと考えられていることからこのような取り扱いになります。(一時の所得であるので、生活に必要な所得ではなく、担税力はあるのでは、という反論もありますが。)
一方「雑所得」は、「給与所得」や「事業所得」、「一時所得」等、所得税法上の他の9種類の所得のいずれにも当てはまらない所得のことを言います。
「雑」という字が表すとおり、その他の所得です。
雑所得にあたる例としては、公的年金等、非営業用貸金の利子、原稿料や講演料、事業規模でない商売などがあげられます。
一時所得と雑所得の区分は、紛らわしく、わかりにくいところもありますが、見分け方としては、「継続性があるかどうか」が一つ判断基準になります。
【参考】
・所得税基本通達34-1
・所得税基本通達35-1
