消費税の簡易課税制度

基準期間(前々年)の課税売上高が1,000万円以上の事業者は、消費税の申告をして、消費税の納付をしなければなりません。
消費税の納付額は、売上などで受け取った消費税から、仕入などで支払った消費税を差し引いて計算します。
例えば、年間の売上高3,150万円(税込)、年間の仕入額1,050万円(税込)であった場合、受け取った消費税は150万円、支払った消費税は50万円なので、納付額は100万円になります。(消費税率は5%)
ここで、基準期間(前々年)の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、「簡易課税制度」を選択することができます。
簡易課税制度とは、納付額を計算するさいの支払った消費税を、受け取った消費税の一定割合で簡便的に計算するという制度です。(ここで使用する割合は事業の種類によって決められています。)
例えば、小売業(一般消費者への商品販売業)であれば、受け取った消費税の80%を支払った消費税と仮定して納付額を計算することができます。
上記の例で、納税者が小売業であったとすると、支払った消費税額は、
150万円×80%=120万円
と計算することができ、納付額は30万円となります。
これは少し極端な例ですが、簡易課税制度を選択すると、原則的な方法で計算した場合よりも納付額を少なくすることができる場合があります。
もちろん、事業によっては、納付額が多くなってしまう場合もありますので、選択した場合としなかった場合の納付額をシミュレーションして、選択するかどうかを決定する必要があります。
また、簡易課税制度を選択する場合、適用しようとする課税期間の開始の日の前日まで(つまり事業年度が始まる前までに)「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出しなければなりません。
1日でも届け出を提出するのが遅れてしまうと、簡易課税制度を適用することはできなくなってしまいますので、注意が必要です。
【参考】http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6505.htm
