報酬に対する源泉徴収の概要②

前回の記事で、報酬に対する源泉徴収の概要を解説しましたが(前回の記事はこちら)、今回は、源泉徴収が必要な報酬の具体例を解説します。
税法に列挙された源泉徴収が必要な報酬の具体例及び源泉徴収税額は、以下のように定められています(抜粋)。
①原稿料や講演料など
具体例:原稿料、挿絵・写真・作曲等の報酬、デザインの報酬、著作権の使用料、講演の報酬、スポーツ等のコーチ料、翻訳料、校正報酬等
源泉徴収税額:報酬の10.21%(100万円以上の場合、100万円を超える部分については20.42%)
②弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
具体例:弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、司法書士、中小企業診断士、土地家屋調査士、測量士、建築士、不動産鑑定士等に払う報酬
源泉徴収税額:基本的には報酬の10.21%(100万円以上の場合、100万円を超える部分については20.42%)
ただし、司法書士報酬については(報酬-1万円)×10.21% 等例外あり。
また、行政書士報酬は、列挙されている記載に含まれていませんので、源泉徴収する必要はありません。
③社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
源泉徴収税額:(診療報酬-20万円)×10.21%
④プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
具体例:プロ野球選手、プロボクサー、プロサッカー選手、プロテニス選手、プロレスラー、プロゴルファー、レーサー、競馬の騎手等に払うファイトマネー、賞金、報酬、出場料、成功報酬等
ファッションモデル等に支払う報酬
保険代理店などの外交員、集金人に払う報酬
源泉徴収税額:基本的には報酬の10.21%(100万円以上の場合、100万円を超える部分については20.42%)
ただし、プロボクサーのファイトマネーについては(報酬-1万円)×10.21% 等例外あり。
⑤芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
具体例:俳優、映画監督、演出家、音楽指揮者、落語家、漫才師、等への出演料、演出料、企画の報酬
源泉徴収税額:報酬の10.21%(100万円以上の場合、100万円を超える部分については20.42%)
⑥ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
具体例:キャバレー、ナイトクラブ、バー等のホステスに払う報酬
ホテル、旅館、飲食店等の飲食の際に接待を行うホステス、コンパニオンに払う報酬
源泉徴収税額:(報酬-控除額)×10.21% ※控除額は5,000円×日数
⑦プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
具体例:プロ野球選手等に払う契約一時金等
源泉徴収税額:報酬の10.21%(100万円以上の場合、100万円を超える部分については20.42%)
⑧広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金
具体例:クイズ番組等の賞金品等、馬主に払われる競馬の賞金
源泉徴収税額:(報酬-控除額)×10.21% ※控除額は50万円(馬主の場合は賞金の20%+60万円)
詳しくは、国税庁のホームページに掲載されている、「源泉徴収のあらまし」の第5 報酬・料金等の源泉徴収事務を参考にするとよいと思います。
【参考】http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/aramashi2012/index.htm
