外貨建債権債務の換算

決算日にまだ決済されていない外貨建債権債務がある場合は、一定の為替相場を用いて換算しなおす必要があります。
換算の結果生じた換算差額は為替差益や為替差損としてその期の損益に計上します。
換算にあたり使用する為替レートには「決算時の為替相場」と、「取得時の為替相場」があります。
法人税法上、基本的には、外貨債権債務を1年基準により短期と長期とに分類し、短期のものは「決算時の為替相場」、長期のものは「取得時の為替相場」を使用して換算します。
取得時の為替相場を使用するということは、要は換算処理不要ということです。
上記の換算方法が法定換算法(何もしなければこの方法で換算しなければなりません)ですが、税務署に確定申告期限までに換算方法を届け出ることで、例外的な換算方法も認められます。
法定換算方法及び届け出によって認められる換算方法をまとめると、以下のようになります。
区分 | 法定換算方法 | 届出によって 認められる方法 |
外国通貨 | 期末時換算法 | - |
外貨預金(短期) | 期末時換算法 | 発生時換算法 |
外貨預金(長期) | 発生時換算法 | 期末時換算法 |
外貨建債権債務(短期) | 期末時換算法 | 発生時換算法 |
外貨建債権債務(長期) | 発生時換算法 | 期末時換算法 |
売買目的有価証券 | 期末時換算法 | - |
満期保有目的債券 | 発生時換算法 | 期末時換算法 |
満期保有目的外債券 | 発生時換算法 | 期末時換算法 |
売買目的外株式 | 発生時換算法 | - |
子会社株式・関連会社株式 | 発生時換算法 | - |
※期末時換算法…決算時の為替相場により換算する方法
※発生時換算法…取得時の為替相場により換算する方法
