賃借建物の内部造作費用は建物?附属設備?

建物を賃借して店舗や事務所として使用する場合、内部造作(内装工事)をすることが多いと思います。
この内部造作については資本的支出として固定資産計上し、減価償却していくことになりますが、どのような勘定科目で資産計上していくかがよく問題になります。
見積書等で内容を確認すると、壁紙クロス張替、空調設備、電気設備、給排水設備、間仕切り等、様々な工事が行われていると思います。
内部造作の処理をするにあたっては、まずはこの見積書等から「建物附属設備」に該当する部分を抜き出します。
「建物附属設備」に区分することができるのは、下記のような内容の部分です。
・電気設備(照明設備を含む。)
・給排水又は衛生設備及びガス設備
・冷房、暖房、通風又はボイラー設備
・昇降機設備
・消火、排煙又は災害報知設備及び格納式避難設備
・エヤーカーテン又はドアー自動開閉設備
・アーケード又は日よけ設備
・店用簡易装備
・可動間仕切り
・前掲のもの以外のもの及び前掲の区分によらないもの
これらの項目に該当する部分はそれぞれの種類ごとに「建物附属設備」として資産計上し、その他建具工事や内装工事等、建物と不可分なものは「建物」として資産計上します。
現場管理費等、どちらにも共通してかかる諸経費については、金額等を基準としてそれぞれの資産に按分するのが一般的です。
「建物附属設備」は、「建物」よりも耐用年数が短いですし、定率法での償却になりますので(建物は定額法しか認められていません。)、早期償却をすることができます。
したがって、しっかりと工事内容を把握して、可能なものはなるべく「建物附属設備」として処理することで節税対策になります。
また、その建物について「賃借期間が定まっていて」、その「賃借期間の更新ができない」もので、かつ、「買取請求等をすることができない」ものについては、その賃借期間を耐用年数として償却することができます。
あくまで「更新不可」という条件付きなので、なかなか該当する事例は少ないのかもしれませんが、これを利用できればかなり短期間で造作を損金とすることができます。
【参考】
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5406.htm
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5406_qa.htm
